各FX業者のスプレッドを徹底比較!選ぶべきポイントも徹底解説!(NO)

「業界最狭水準のスプレッド!」

FX業者のホームページには、このような宣伝フレーズが各所で表記されていますが、初心者の方からすれば、次のように感じるのではないでしょうか?

「FXの「スプレッド」とは、そもそも何のことだろう?」

「スプレッドが狭いと、利用者にどんなメリットがあるんだろう?」

「FX業者によって、スプレッドはどれくらい違うんだろう?」

今回はこれらの疑問を持った方に向けて、FXのスプレッドに関する説明や、またスプレッドに注目したFX業者の選び方を解説していきます。

スプレッドに関する知識を持っておくことで、1回あたりの取引において、数十円~数百円の得に繋がるので、これからFXを始める方はぜひ参考にしてみてください。

スプレッドとは?仕組みについて徹底解説!

スプレッド(spread)は「広がり」という意味であり、FXにおいては、通貨ペアの「買値」と「売値」の差を意味します。

しかし語句の意味だけを伝えても、スプレッドが利用者にとってどのように影響を与えるのか、具体的なポイントまで理解するのは難しいのではないでしょうか。

そこで、より分かりやすくお伝えするために、以下の順で解説を進めたいと思います。

どれも基本的な知識ですが、知ってる・知らないでは大きな違いになりますので、少しでも有利な取引ができるように、スプレッドについて学んでいきましょう!

スプレッドの単位と影響について

スプレッドの単位は、USD/JPYのようなクロス円の通貨ペアの場合は「銭(1円=100銭)」が用いられます。

一方で、EUR/USDのようなクロスドルの通貨ペアの場合は「pips(percentage in pointの複数形)」が用いられます。

これらの単位を念頭に置いて、スプレッドが利用者にとってどのような影響を持つのか、考えてみましょう。

例えばUSD/JPYにおいて、【買値:100.000】【売値:100.002】である時、スプレッド(売値-買値)は0.2銭となります。

そしてこの時、USD/JPYを1Lot(1万通貨)買い注文した際、以下の計算式でスプレッドのコストが発生するのです。

スプレッドのコスト:1万(通貨量)×0.2銭=2000銭=20円
このスプレッドのコストは基本的にトレーダーが負担するものであり、FX業者にとっては収入源の1つになります。

各FX業者がスプレッドの「狭さ」をアピールしているのは、スプレッドが狭いほどコストが抑えられるためであり、トレーダーの負担にならないことをアピールしているのです。

スプレッドと手数料の違いについて

前節ではスプレッドのコストについて、FX業者の収入源になると説明しましたが、これは取引1回あたりの手数料とは異なるものです。

取引の手数料が発生する場合は、スプレッドのコストと合わせて、負担しなければなりません。

ただ、最近では多くのFX業者が「手数料無料」を掲げており、トレーダーの実質的な負担はスプレッドのコストのみだと言えるでしょう。

しかし一部のFX業者、例えば「トライオートFX(インヴァスト証券)」のように、スプレッドのコストとは別に手数料が発生する場合もありますので、事前にチェックしておくべきでしょう。

通貨ペアごとに異なるスプレッドの特徴

スプレッドは、流通量が多い通貨ペアほど価格が安定し、狭くなるという特徴があります。

流通量の多い通貨ペアとは、EUR/USDやUSD/JPYなど、いずれのFX業者においても取り扱いあるものであり、スプレッドの安定性から、これらの通貨ペアからFXを始めるという人も多いです。

また反対に、流通量が少ない通貨ペアほどが価格が不安定になり、スプレッドが広くなる傾向にあります。

トルコリラやメキシコペソなど、新興国の通貨は流通量が少なく、通貨ペアの中でも比較的スプレッドが広い部類となりますが、FX業者によっては定期でキャンペーン実施し、スプレッドを優遇する措置もあるようです。

スプレッドの注意点!変動しやすい状況とは?

FX業者が提示しているスプレッドは、「固定スプレッド」と「変動スプレッド」の2種類が存在します。

変動スプレッドは、その名の通りスプレッドが相場の状況に応じて変動する制度であり、また固定スプレッドだとしても、時間帯や状況によって変動してしまうので注意が必要です。

そこで本節では、スプレッドによる無駄なコストを抑えるために、スプレッドの変動しやすい状況・タイミングについて、解説していきたいと思います。

経済指標の発表前後は特に注意!

米国雇用統計など、先進国の情勢を反映した経済指標の発表は、世界中のトレーダーが注目しています。

なぜなら、アメリカの失業者が減少して景気が上向きになりそうであれば、米国の通貨である「USD(米ドル)」に多量の買い注文が入るなど、相場も大きく動くからです。

その状況下で、大衆やアナリストの予想とは異なる内容が発表されると、市場が混乱して価格が乱高下することがあります。

価格が乱高下する中においては、FX業者も適切なスプレッドの維持が難しくなるので、その結果として、スプレッドが広くなってしまうのです。

予想外 or 突発的なイベント

米国大統領等の要人発言や、北朝鮮のミサイル発射、新型コロナウイルスの急拡大など、予想していない世界規模のイベントが起きると、市場が混乱する傾向にあります。

これは為替市場だけでなく、あらゆる金融市場においても当てはまり、最近ではビットコインを支持するイーロン・マスクの発言によって、ビットコインの価格が乱高下する減少が見られました。

市場が混乱する中では、注文が売り、または買いの一方向に偏ってしまい、流動性が保つことが難しくなるので、やはりスプレッドが広くなってしまうのです。

AM5:00~8:00は、スプレッドが広がりやすい

為替市場は平日24時間取引することができますが、世界各国の市場の時間帯、そして通貨の流通量は、それぞれ異なります。

その中でも、欧州・NY市場の時間帯である22~2時においては、活発に取引が行われるため流通量も高いです。

一方でそれらの市場が閉じており、オセアニア市場しか開場していない朝5~8時の時間帯は、流通量が低くなってしまうので、1日の中で最もスプレッドが広くなる時間帯です。

スプレッドだけでなく通貨の動きも不透明な時間帯になるので、上級でない限りは、手を出すべきではないでしょう。

各FX業者のスプレッドと特徴について

FX業者ごとに、提示しているスプレッドは大きく異なります。

そしてトレーダーとして本気で稼ぎたいのであれば、たとえ「0.1銭」の違いだとしても、侮るべきではありません。

その理由として、仮に1ヶ月で100万通貨取引するトレーダーであれば、1000円(100万×0.1銭)の差を生み出すからです。

さらに頻繁にトレードするようであれば、年間で10万円以上の差も発生し得るので、余程の強いこだわりがない限りは、スプレッドの狭いFX業者を選ぶべきでしょう。

国内主要FX業者のスプレッド比較

国内主要のFX業者において、スプレッドの違いは以下表の通りです。

最近は、数多くのFX業者がスプレッドを抑える企業努力をしていますので、【USD/JPY】などのメジャーな通貨ペアでは、あまり大きな差を見出すことができません。

しかし【NZD/JPY】や【GBP/USD】など、中堅どころの通貨ペアに関しては若干の差がありますので、その辺に注目して比較されてみてはいかがでしょうか。

FX業者 USD/JPY EUR/JPY GBP/JPY AUD/JPY NZD/JPY CAD/JPY CHF/JPY ZAR/JPY EUR/USD GBP/USD
GMOクリック証券 0.2銭 0.5銭 1.0銭 0.7銭 1.2銭 1.7銭 1.8銭 0.9銭 0.4pips 1.0pips
DMM FX 0.2銭 0.5銭 1.0銭 0.7銭 1.2銭 1.8銭 1.7銭 0.9銭 0.4pips 1.0pips
LINE FX 0.2銭 0.3銭 0.5銭 0.3銭 1.2銭 1.5銭 1.6銭 1.0銭 0.3pips 0.6pips
MATSUI FX 0.2銭 0.5銭 1.1銭 0.7銭 1.2銭 1.7銭 1.8銭 1.0銭 0.4pips 1.0pips
外為オンライン 0.9銭 1.9銭 3.4銭 3.2銭 3.6銭 3.1銭 3.2銭 14.9銭 1.4pips 2.8pips
LIGHT FX 0.2銭 0.4銭 0.9銭 0.6銭 1.0銭 1.5銭 1.6銭 0.8銭 0.3pips 0.6pips
みんなのFX 0.2銭 0.4銭 0.8銭 0.6銭 1.0銭 1.6銭 1.7銭 0.9銭 0.3pips 0.8pips
インヴァスト証券 0.3銭 0.5銭 1.0銭 0.6銭 1.7銭 1.9銭 2.0銭 1.8銭 0.3pips 1.4pips
掲載しているスプレッドは、2021年8月現在のものです。

業界最狭水準!スプレッドが狭いFX業者の特徴

スプレッドが狭いFX業者であるか判断するためには、通貨ペアの中でも特に取引量の多い、【USD/JPY】【GBP/JPY】【EUR/USD】これら3つに注目してみてください。

上記の中では、「LINE FX」「みんなのFX」「GMOクリック証券」がとりわけスプレッドが狭く、一方で「外為オンライン」や「インヴァスト証券」は、スプレッドが広い傾向にあります。

しかし留意していただきたいのは、スプレッドが広い=悪い、と一概に判断してはいけないということです。

スプレッドが広いFX業者では、他が提供していない自動売買システムを利用できる、といった利点もあるため、自分の目的やトレードスタイルに合わせて口座を選ぶべきでしょう。

スプレッドだけで判断は危険?約定力にも注目しよう!

上表で紹介した各FX業者のスプレッドを見て、次のように考えた方も多いのではないでしょうか。

「スプレッドの狭さで考えるなら、LINE FX一択じゃないの?」

確かにLINE FXは、いずれの通貨ペアにおいても他のFX業者を凌駕しているため、そのように思われるかもしれません。

しかしメイン口座は、単純なスプレッドの狭さだけで選ぶべきではない、決定的な理由があるのです。

約定力が非常に重要!

メイン口座を選ぶ上で、約定力は非常に重要です。

約定力とは、トレーダーの注文を正しく約定させる力のことであり、FX業者によって約定力は異なります。

なぜ約定力が重要なのかを説明するためには、FX相場が不定期で生み出す「大変動」から説明いたしましょう。

FX相場は数年に一度、世界中のトレーダーを巻き込む、大きな変動が起きるということをご存知でしょうか?

そのような相場が混乱している状況においては、大量の注文がFX業者に殺到するため、スプレッドは大きく広がり、また注文を正しく約定することすら困難になるのです。

有事の際は、1つの注文を約定できたか否か、それが資産を守れた・失ったという分かれ道にもなりかねませんので、やはりスプレッドだけでFX業者を判断するべきではないでしょう。

約定力が弱いとどうなるの?

一方で、約定力が弱いとどうなってしまうのでしょうか?

例えば【USD/JPY:105.000円】で買い注文を入れたとしても、約定力が弱ければ【USD/JPY:105.005円】で成立してしまい、このように狙いとは異なる価格で注文が成立することを「スリッページ」と言います。

基本的には、トレーダーにとって損をする方向に進んだ上で成立してしまうので、何回もスリッページが繰り返されるようでは、トータル収支にも大きく影響してくるでしょう。

約定力が強い≒システム面が強い

相場が混乱している渦中でも、強い約定力を持ったFX業者は、システム面にも優れています。

これがどういったメリットを持つのか、次の状況を考えてみてください。

2019年1月3日の「フラッシュクラッシュ」、2020年3月9日の「コロナショック」では、どちらも短時間でクロス円の通貨ペアが5円以上変動する、歴史的な相場となりました。

ドル円が一瞬にして105→100円になったと言われれば、経験していない方でも、その異常性が分かるのではないでしょうか。

この時、瞬時に対応して急いで損切り注文を出せば、防げた損失があったかもしれません。
また資金に余裕があれば、ナンピン戦略によって、大きく稼げたかもしれません。

しかし、FX業者としてシステム面が強くなければ、トレーダーの注文が殺到する状況下においては、まず口座の「マイページ」にログインすることすら難しくなってしまうのです。

ログインができなければ当然、損切りも追加の注文も出せなくなってしまうので、ただ無事に済むことを祈るしかありません。

つまりシステム面が強いということは、有事の際にも資金を守れる、そして稼げるチャンスが持てるということになりますので、やはり意識して然るべきでしょう。

約定力が強いFX業者の見分け方

約定力が強いFX業者を見分けるには、実績や運営年数に注目してみるといいでしょう。

「GMOクリック証券」や「DMM FX」のように、利用者から長期にわたり支持を得ている会社は信頼も厚く、また過去の大相場を乗り切った実績とノウハウを持っています。

一方で「LINE FX」のように新鋭のFX業者であれば、これから起こり得る相場変動に上手く対応できるのか、まだ未知数であるため様子を見ることも一案です。

スプレッドやスワップポイントのように、表面上見て取れるアドバンテージも重要ではありますが、数年に一度訪れる大相場の渦中こそ、FX業者の真価が問われると言ってもいいでしょう。

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